高千穂写真ギャラリー「高千穂の夜神楽」(下田原神楽)


下田原神楽 平成17年1月22日〜23日 於:高岩公民館

No. 演目 人数 内容 命付 JPG
夕食
神庭固め(こうにわかため) 全員 神庭の準備が整った御祓い
太鼓打ち始め 宮へ行く前の儀式
宮で神事 全員 今年は、下田原地区のうち「南小糸」小組が担当のため、拝鷹天神茶堂で神事。
道行き(みちゆき) 拝鷹天神茶堂から高岩地区棒術保存会の先導で道行き。
舞入(まいいれ) 宿に舞い込む。

彦舞(ひこまい) 猿田彦命が天孫降臨のおのころ島に見立てた桝に乗って四方割りを行う。 猿田彦命(さるたひこのみこと)
太殿(たいどの) 神楽を行う社を建立する舞。下田原神楽では、「御光屋始め」が太殿の最初の部分として行われた。 久久之遅命(くくぬちのみこと)・金山彦命(かなやまひこのみこと)・迦具土命(かぐつちのみこと)・水波売命(みずはのみこと)

神颪(かみおろし) 神庭を清めて神を勧請する舞。神颪・鎮守・杉登の3番を「式3番」と言う。日神楽(昼に舞われる短い神楽)では必ず舞われる。 神漏岐命(かむろぎのみこと)【天神】・忍穂耳命(おしほみのみこと)【地神】・中筒男命(なかつつおのみこと)【海神】

鎮守(ちんじゅ) 神が社に降臨し鎮まり給うことを表現した舞。 大屋津姫命(おおやつひめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)
杉登(すぎのぼり) 2+1 神が神殿に杉を伝わって降臨してくる神楽。途中で入鬼神が入る。下田原神楽は入鬼神に尻付きがつく。 椎根津彦命(しいねつひこのみこと)・菟狭津彦命(うさつひこのみこと)・入鬼神は武御雷命(たけみかづちのみこと)

神事(しんじ)・直会(なおらい) 式三番終了後の式典。
地固(じがため) 国作りや田作りのために土地を堅固にする舞。最後に宝渡しの儀式がある。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・五十猛命(いそたけるのみこと)




袖花(そではな) 猿田彦命が天鈿女命の袖を引いて導いたことから縁結びの舞と言われる。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
幣神添(ひかんぜ) 2+1 御幣(ごへい)を持って舞う。高千穂の方言では幣を「ひ」と発音する。下田原神楽では道化荒神が入る。 彦狭知命(ひこさしりのみこと)・手置帆負命(たおきほおひのみこと)・道化荒神

沖逢(おきえ) 海原より来る神を招ずる舞。 天村雲命(あめのむらくものみこと)・思兼神(おもいかねのかみ)・事代主神(ことしろぬしのかみ)・天穂日命(あめのほひのみこと)
10 八鉢(やつばち) 少彦名命が唐国より珍しい宝物や薬草を入手して帰国の途中、嬉しさのあまり船べりを叩いた喜びの舞。
太鼓の上で逆立ちをする。
少彦名命(すくなひこなのみこと)

11 武智神添(ぶちかんぜ) 2本来2だが、今年は4 「鞭かざし」とも言われる。戦いの準備の舞とも、龍王の舞とも言われる。 2人舞いの命付けは、弟橘姫命(おとたちばなひめのみこと)・衣通郎姫命(そとほりいいらつひめのみこと)であるが。4人舞いの命付けは不明。



よながり 深夜の夜食。
12 本花(ほんはな) おめでたいご披露の祝いの舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)・石凝姥命(いしこりどめのみこと)・■(=木+爪)津姫命(つまづひめのみこと)・木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)

13 七貴神(しちきじん) 大国主神と子供神6人の合計7人の神が登場し、親神が子供神に舞を教える舞。
下田原神楽では、七貴神の子神に飛び入り女性の参加も認めている。ちなみに今年は田原中学校の先生方が子神として活躍されました。
大国主命(おおくにぬしのみこと)と子神六神

14 岩潜り(いわくぐり) 岩間を走る激流の意で、太刀をくぐる舞。 武御雷命(たかみかづちのみこと)・手置帆負命(たおきほひのみこと)・天目一筒命(あめのまひとつつのみこと)・天穂日命(あめのほひのみこと)




15 五穀(ごこく) 五穀(米・稗・粟・豆・玉蜀黍)豊饒を祈る神楽。 倉稲魂命(うかのみたまのみこと)・大田命(おおたのみこと)・大宮売命(おおみやめのみこと)・保食神(うけのちのかみ)・大己貴命(おおなむちのみこと)

16 杵舞い(きねまい) 杵を持って舞う。 命付けは不明。
17 御神体(ごしんたい) イザナギ・イザナミ2神の国産みの舞。酒こしの舞とも言われる。下田原神楽では観客を神庭に引っ張り込み酒を飲ませたりする。最後に餅捲きがある。 伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)




18 弓正護(ゆみしょうご) 弓の神威をもって悪魔を祓う神楽。 月夜見命(つくよみのみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)

19 地割(じわり) 土地の割り替えの舞。「山の神」を神格化した荒神が、密教の三宝荒神と習合して、のちに竈神としての神格が残った。台所で竈祭を行い、舞い込む。最後に荒神問答がある。 須佐之男命(すさのおのみこと)【荒神】・太玉命(ふとたまのみこと)【幣差】・武御雷命(たけみかづちのみこと)【太刀舞】・天児屋根命(あめのこやねのみこと)【神主】・月読命(つくよみのみこと)【弓舞】とあるが、若干人数が違う部分の命付は不明。



20 芝上げ荒神(しばあげこうじん) 2人の荒神が庭先から芝に乗って舞いこむ。めくりには別に「御柴」もあったが、浅ヶ部地区のように外注連を3回回ることは無かった。 命付けは不明。
21 住吉(すみよし) 海神を讃える讃える神楽。
大綿津見命(おおわだつみのみこと)・中筒男命(なかつつおのみこと)・底筒男命(そこつつおのみこと)・表筒男命(うわつつおのみこと)


22 火の前(ひのまえ) 火伏せ神楽。 命付けは不明。
23 大神(だいじん) 荒神の神威を大幣として表し、麻緒の力によって魔祓をして福を招来する祓いの力のこもった願神楽。最後に「三度の拝み」を四方と中央に行う。 矢房八郎拝鷹天神(やぶさのはちろうはいたかてんじん)・道反命(みちのたんのみこと)・伊勢津彦(いせつひこ)

24 伊勢(いせ) 岩戸開きを迎える祓いの舞。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
25 柴引(しばひき) 天香具山の榊を根ごと抜いて、岩戸の前に飾る舞。 太玉命(ふとたまのみこと)
26 手力男(たぢからお) 天照大神が天岩戸に隠れているところを探り、天岩戸を開くために思案する舞。 手力男命(たぢからおのみこと)
27 鈿女(うずめ) 天鈿女命が、天岩戸の前で調子面白く舞った舞。 天鈿女命(あめのうずめのみこと)
28 戸取(ととり) 手力雄命が天岩戸を開き、岩戸を投げる舞。投げる場所は、「日向の国小戸の檍ヶ原」と「伊勢の国山田ヶ原」が一般的であるが、地区によっては、「信濃の国戸隠嶽」とする地区もある。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
戸取りの明神(ととりのみょうじん)とも呼ばれる。

29 舞開(まいぎらき) 天岩戸が開いた喜びの舞。舞の途中から、日月の鏡を手力雄命が持って舞う。 手力雄命(たぢからおのみこと)。
30 注連口(しめくち) みどりの糸を持って舞う。途中で入鬼神が入る。下田原地区には繰下(くりおろし)のめくりが無いが、注連口と一連で行われている。 天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天村雲命(あめのむらくものみこと)・天日鷲命(あめのひわしのみこと)・天帆負命(あめのほおいのみこと)。
入鬼神




31 雲下(くもおろし) 神楽33番のフィナーレ。雲から紙ふぶきが舞い落ちる。 神漏美命(かむろみのみこと)・手置帆負命(たおきほおいのみこと)・太玉命(ふとたまのみこと)・思兼命(おもひかねのみこと)・天児屋根命(あめのこやめのみこと)
神事(しんじ) 最後の神事。神送り。

※下田原神楽は、毎年新暦1月第3土日前後に行われます。あらかじめ日程を確認してください。
※家の中でありますが、戸を開けたままのため、一晩中見るということは、寒さとの戦いです。防寒具を忘れずに。
※下田原地区では、今のところ三脚が禁止されていませんが、他の人に迷惑をかけないように見学しましょう。
※七貴神の子神役として女性を神庭に入れる風習は下田原神楽だけですので、他の地区で何故入れないのか?とか言わないでください。あくまでも地区のシキタリで行われていますので、ご理解ください。
※平成16年度は平成15年度に師匠格の4人の方々が他界され人数が激減したピンチを脱却する手段として、田原中学校の総合学習に協力をいただき、上田原地区の中学生の舞いを入れることで何とか31番を奉納しました。


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